一人親方の請求書の書き方|元請に出す請求書の項目、インボイスの記載事項、消費税の端数処理
元請に出す請求書は、決まった形がなく、元請ごとに指定の書式があることもあります。この記事では、どの書式でも共通して入れておきたい項目と、インボイス制度で求められる記載事項を整理します。税務の扱いは、ご自身の契約と税理士の判断を優先してください。
請求書に入れる項目
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 宛名 | 〇〇工務店 御中(会社なら「御中」、個人なら「様」) |
| 請求書番号 | INV-2026-0012 のように、重ならない番号 |
| 発行日 | 2026年10月31日(締め日にすることが多い) |
| 件名・対象期間 | 材料費(実費)ほか/2026年10月1日〜10月31日 |
| 現場名・工事番号 | 〇〇様邸、△△テナント2F(元請の工事番号があれば書く) |
| 明細 | 日付・品名・規格・数量・単位・単価・金額・税率 |
| 合計 | 税率ごとの小計(税抜)と消費税額、税込の合計 |
| 支払期日・振込先 | 2026年11月30日/〇〇銀行 〇〇支店 普通 1234567 |
| 差出人 | 屋号・氏名・住所・電話、インボイスの登録番号(登録している場合) |
インボイス(適格請求書)の6つの記載事項
国税庁のタックスアンサーでは、適格請求書に記載が必要な事項として、次の6つが挙げられています。
- 書類作成者の氏名または名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した税込対価(または税抜対価)の額および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
建築の材料や工事は、ふつう標準税率(10%)だけなので、税率ごとの合計は「10%対象」の1行になります。登録番号は「T」と13桁の数字です。インボイスの登録をしていない場合は、登録番号は書けません。登録するかどうか、元請との取引でどう扱うかは、元請や税理士と相談して決めてください。
消費税の端数処理は「1枚につき税率ごとに1回」
国税庁のQ&Aでは、適格請求書に書く消費税額等の端数処理は、1つの適格請求書につき、税率ごとに1回行うこととされています。切り上げ・切り捨て・四捨五入のどれにするかは任意ですが、明細の1行ごとに端数処理をして合計する方法は認められていません。
→ 明細ごとに消費税を出して足すのではなく、合計に対して1回だけ計算する
手書きや表計算で作っていると、行ごとに消費税を出してしまいがちです。毎回同じやり方で計算できる仕組みにしておくと安心です。
材料費と工賃は分けて書く
材料を自分で買って元請に請求する場合、材料費と手間賃(工賃)は分けて書くと、元請側の確認が早くなります。
- 材料費は、仕入れた日・現場・品名・規格・数量・単価が分かるように1行ずつ
- 追加で買った分・返品した分は、別の行にする(返品はマイナス)
- 配送費は「配送費」として1行
- 手間賃は「ボード張り手間 一式」など、契約どおりの書き方で
材料費を「立替金」として精算する形にするか、ふつうの売上として請求するかで、書類の作り方が変わります。詳しくは材料費を元請に請求するときの注意を読んでください。
締め日でまとめるときの書き方
月末締めなどで、複数の現場の分を1枚にまとめるときは、明細に現場名を入れます。現場ごとに分けて出すよう求める元請もあるので、元請ごとに「合算」か「現場別」かを決めておきます。一度請求した明細を次の請求に入れてしまう二重請求に気をつけてください。防ぎ方は締め日の請求漏れ・二重請求を防ぐ方法にまとめています。
出したあとに間違いに気づいたら
発行した請求書を書き換えて出し直すと、元請の手元の請求書と食い違います。取り消して出し直すか、差額を次の請求で調整するかを、元請と話して決めます。どちらの場合も、いつ・何を直したかの記録を残しておきます。
請求書づくりを毎月の作業から外す
ザイジンでは、仕入・追加・返品を現場ごとに記録しておくと、締め日に元請を選ぶだけで、まだ請求していない材料が並びます。工賃を足して確定すると、税率ごとの合計と消費税(1枚につき税率ごとに1回の端数処理)、振込先、登録番号の入った請求書ができ、PDFで保存できます。確定した明細は次の請求に入りません。